整形外科医 龍順之助|人工膝関節 関節リウマチ 膝関節痛 股関節痛など

関節リウマチについて

関節リウマチについて

関節リウマチは、原因は不明ですが、自己の免疫の異常が関係して、これにより関節痛、関節の変形が生じる炎症性疾患です。しばしば血管、心臓、肺といった全身臓器にも障害が及ぶことがあります。また、関節リウマチは中年以降の女性に多く見られます。

完全に病気の原因が分かっているわけではありませんが、関節内に炎症反応がひきおこされ、関節の内面を覆っている骨膜の増殖が起こり、痛みや腫れを起こし、関節液が増加し、軟骨や骨の破壊が進んでいきます。

関節リウマチの症状

朝のこわばり

初期には「朝のこわばり」と呼ばれる症状が出現し、朝起きてから、手をにぎることが困難であり、文字通りこわばっています。5~10分程度のこわばりは他の疾患でも診られますが、1時間以上も続くこわばりであれば関節リウマチまたは他のリウマチ性疾患の可能性が高いです。こわばりの持続時間は関節リウマチそのものの活動性と関連していると言われています。

関節痛

次に、関節痛が起こるようになります。初期には手の指の関節、また足の指の関節がおかされ、次第に手首、肘、膝など体の中心に近い大きな関節の痛みを感じるようになります。症状は天候に左右されることが多く、暖かく晴れた天気が続くときは軽く、天気が崩れ出す前や雨の日、寒い日には痛みが強くなります。夏でもエアコン冷房の風が直接関節部にあたることなどで関節痛が強くなります。

関節リウマチの検査について

関節リウマチの診断をするときに役立つ検査に、血清のリウマチ反応、CRP、赤沈、手のレントゲンなどがあります。リウマチ反応(リウマトイド因子)は、関節リウマチの患者様の80~90%で陽性となります。リウマチ患者でも陽性とならない方もおり、また、関節リウマチ以外の病気の方や健康な方でも陽性となることもあります。リウマチ反応陽性でもすぐ関節リウマチというわけではありません。関節リウマチ早期では陰性のことがありますが、抗CCP抗体はRFよりも早期から陽性になるとされておりますが、診断のつかない早期例には抗CCP抗体が検査の適応になります。

リウマチの診断のため、またリウマチの進行や関節症状の進み方の検査として、関節のレントゲン、胸部のレントゲンを定期的に撮影します。しかし最近はレントゲンでは分からない変化がMRIなどで検出でき、むしろこの時期に早期から治療することが重要と言われており、CRPや赤沈もリウマチの炎症の程度を知る上で役に立つ検査です。 MMP3も軟骨の破壊が起こっている指標になります。リウマチは、薬物療法を長期に渡って行うので、薬の副作用に気をつけるための検査が必要です。尿検査(たんぱくや赤血球)、血液(貧血、白血球や血小板の減少)、血液生化学(肝機能、腎機能)、胸部レントゲンを定期的に検査します。

関節リウマチの治療について

薬物療法

消炎鎮痛剤

関節の痛みや腫れを軽減する効果を持っています。病気自体の進行や骨や関節の破壊をおさえることはできませんが、飲んだ後、速やかに効き目をあらわすことから、患者様の日常生活を維持するのに役に立ち、関節リウマチの治療では最初に使う薬とされています。

ステロイド

活動性の高い関節リウマチ初期治療に使用したり、疼痛の軽減、日常生活の改善のために少量が投与することがあります。しかし、副作用として胃潰瘍や十二指腸潰瘍、風邪やその他の感染症にかかりやすくなることはは大きな問題です。長期間用いると顔が丸くなったり、太ったり、高血圧症になりやすくなることと、血糖が上昇して糖尿病が出やすくなります。

抗リウマチ薬・免疫抑制剤

抗リウマチ薬とは、関節リウマチの免疫異常を改善させる薬です。炎症を抑え、寛解導入を目的とする薬剤の総称です。現在では、発症3か月以内の早期から積極的に抗リウマチ薬を使用するようになっています。また現在の抗リウマチ薬の中心はメトトレキサートに変わってきました。

生物学製剤

生物学的製剤とは、生物が作る物質を薬剤と使用するものです。現在日本で関節リウマチに使用できる生物学的製剤があります。たいへん有効な薬ですが間質性肺炎などの副作用があり、専門医により注意深く用いられる必要があります。

リハビリテーション

物理療法

物理療法は大きく温熱療法・寒冷療法・光線療法・その他に分類することが出来ます。温熱療法は筋肉の緊張緩和や局所血流の改善により疼痛や腫脹を改善します。寒冷療法は熱感のある急性炎症状態の関節に対し、局所的な治療として用いられます。光線療法には温熱作用と組織修復作用があります。その他に牽引・マッサージなどのリハビリがあります。

運動療法

運動療法は、関節可動域の獲得、筋力増強、傷んだ関節の修復のために行われます。傷んだ関節があるのに運動負荷をかけることは逆効果のように思われますが、関節軟骨の新陳代謝に必要な栄養は関節を運動させることによってはじめて関節へ届けられる仕組みになっています。

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