整形外科医 龍順之助|人工膝関節 関節リウマチ 膝関節痛 股関節痛など

変形性膝関節症について

変形性膝関節症について

変形性膝関節症は、現在1,200万人以上の患者様がおり、そのうち治療を要する患者様は700万人を超えると言われています。また、75歳以上の方では約80%の人に存在するとも言われております。

初期症状としては、立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時に痛み、休めば痛みがとれますが、正座や階段の昇降が困難となります。中期・末期になると、安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、膝がピンと伸びず歩行が困難になります。

原因は、関節軟骨の老化によることが多く、肥満や素因(遺伝)も関与しています。また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することもあります。加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使い過ぎによりすり減り、関節が変形してきます。

変形性膝関節症の診断と治療について

変形性膝関節症の診断は、問診や診察、時に触診で膝内側の圧痛の有無、関節の動きの範囲、腫れやO脚変形などの有無を調べ、レントゲン検査で診断します。また、必要によりMRI検査などを行います。

治療においては、症状が軽い場合は痛み止めの内服薬や外用薬を使用したり、膝関節内にヒアルロン酸の注射などを行います。また、大腿四頭筋強化訓練、関節可動域改善訓練などの運動器リハビリテーションを行ったり、膝を温めたりする理学療法を行います。
そして、このような治療でも治らない場合は、人工膝関節置換術などの手術を検討します。

人工膝関節置換術の適応

  • 原則として65歳以上
  • レントゲンで膝関節の隙間が消失している
  • 痛みが強い(コンビニへ買い物に行けない)
  • 15分以上歩けない
  • 膝の変形が強く歩きづらい

人工膝関節の利点と欠点

人工膝関節の利点は?

  • 日々お困りの膝関節の痛みから解放され、日常生活が不自由なく過ごせます。
  • 曲がった膝の変形が直り、まっすぐな膝(下肢)になります。
  • 膝の痛みが取れ、足の変形が改善されるので自由な歩行が可能になります。国内の旅行はもとより、海外旅行も可能となります。
  • 痛みがなく、歩行が可能となるため、周りの人にも迷惑をかけなくなり、多くの方は、身体も、気持ちも若返ります。
  • 手術後に早くから歩行可能となり、リハビリテーションの期間が短くて済みます。

人工膝関節の欠点は?

  • 人工関節が何年もつかまだ十分に分かっていません。以前は10年と考えられていましたが、様々な改良が加えられ、今では20年以上はもつと考えられ、実際に長い経過の人も徐々に増えています。
  • 人工関節は骨に接着されている状態なので、あまり人工関節にストレスが加わりますとゆるみが生じることがあります。ゆるみを避けるために、転倒をしない、体重をコントロールする、下肢の筋力を強化するなどが重要です。
  • 人工関節の入った関節は感染に対する抵抗力が減少しています。細菌が関節内に入り感染を起こすと直りにくく、再手術が必要になります。身体の体調を整えて、膝の痛み、腫れや熱、発赤が生じたらすぐに治療が必要です。100人のうち約1~2人発症する可能性があります。
  • 術後、下肢にできた血栓が肺に流れ着き、肺の血管が詰まる(肺塞栓)が生じることがあります。この塞栓を予防するために手術後に血液の溶解剤を用いる必要があります。

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